茨城に住むSさんという男性から、昨秋あづまやに演奏の依頼がありました。それがちょっと変わっていて、自分で作曲した曲を演奏してほしいというのです。楽譜を事前に送ってもらっていたので、メンバーに集まってもらって、都内の地域センターで録音することになりました。
チンドン、ゴロス、クラリネット、アルトサックスという編成で「チンドンラプソディ」という曲です。なかなかポップな明るい曲で、その曲調から私は50代の方を想像していました。
現場に茨城から駈けつけてくれたSさんは、その想像を裏切って64歳ということでした。子供のころ聞いたチンドン屋の音色が思い出されて、懐かしい思いで作曲されたのだそうです。
私たちの演奏を耳にすると、Sさんはたいそう感激されて「この日のために作曲してきたのだと思います。」と言ってくれました。ずっと製造業にたずさわっていて、作曲は趣味ということでしたが、ご本人の思いが伝わる良い曲でした。
もうひとつ持ってきていたサックスソロの曲を大高さんに吹いてもらいましたが、それも素晴らしくて全員が気に入ってしまいました。
演奏したことでこんなにも人に喜んでもらって、私も幸せな時間を過ごしました。