今年の初めごろ、「今年はチンドン以外でもクラリネットを吹く機会を増やしたい」みたいなことを書いたような気がするが、実際そう思って動いていると増えてくるものである。
チンドン屋の仕事は、土日祝日が多く、時間も長い。おまけに直前にならないと終わり時間もわからないということもあり、子持ちにとってはなかなか条件が合わないことも多い。
日曜日の仕事は、どうしても人がいない時や自分が特に出たい現場以外は、基本的に断って来た。子供をみてくれる人を頼むと、赤字になってしまうこともあるからだ。それに、日曜日くらい子供と過ごしたいというのもある。
しかし、私自身、チンドンではできないことを、あるいはチンドンでやってきたことをもっと膨らましたい、という思いもあった。保育園や幼稚園、また老人ホームなどで演奏した時のダイレクトな反応が忘れられず、自分でそういう場を作って行こうと思うようになった。
あるピアニストと縁があって、児童館での親子コンサートや、自主企画の七夕親子コンサートをやってみて、小さな子どもを持つ親たちはこういうものを望んでいるんだなと実感した。
そのピアニストのNさんは、杉並区の子育て支援の団体「ちぃきちぃき」にも入っていて、「ちぃきちぃき」が驚くべき速さでNPO法人になったことで祝賀会が催されることになった。そして、Nさんと私とで、祝賀会の余興として30分ほどのミニコンサートを行った。ちぃきちぃきのメンバーや、来賓の区の関係者など、歓談しながら聞いてくれたものの、なかなかに緊張した。
だが、プログラム構成から自分たちで考え、数回のリハーサルでできるだけいいものを作っていこうという時間は、かなり充実するものである。