毎年恒例の新井薬師主催の節分に、岩手県東和町の鹿踊り(ししおどり)が呼ばれ、中野サンプラザ前で踊る。黒い装束、腰には太鼓をつけ、二本のバチで叩きながら踊る。時間は10分ほどで短いが、結構激しい踊りなので、踊り手は汗だくになる。
初めて見たのは、プーがまだお腹にいるときで、つわりの気を紛らすためにぶらぶら歩いていたら、突然出会ったのだった。ナンジャコリャーとかなりの衝撃で、つわりも吹っ飛び、興奮して家に帰った記憶がある。今はもう見慣れて、当初の興奮はないが、この冬と春の分かれ目の日に鹿踊りを見ると、空気は冷たくても春なんだなあと思う。
何しろ、日常生活ではありえないこのナンジャコリャの人たちが、太鼓を叩きながら、練り歩くのである。それもサンモールの商店街なんかを。そのワクワク感ったらなかった。どこまでも着いていってしまいたい、と思った。
この感触って、チンドン屋に出会ったときに似ている。グアテマラを旅行中に遭遇したセマナ・サンタ(復活祭)の練り歩きバンドもそうだった。
自分の中ではこのワクワク感がチンドン屋や他の音楽をやる原点なのだと思う。